122: 2017/01/16(月)18:10:09

スイレンが家族を捨てた6時間前。
エーテルパラダイスには珍しい客が訪れていた。

ザオボー「国際警察キラ捜査本部…ですか」

エーテル財団支部長ザオボー。
このアローラでの活動を指揮する、出世欲の塊のような男である。

ビッケ「このような所に何の御用で?」

そう言ったのは、副支部長のビッケ。
非常に面倒見が良く、職員たちから慕われている。

 

 

 

123: 2017/01/16(月)18:10:20

捜査員1「先日、このエーテルパラダイスの上空にもウルトラホールが現れましたよね」

ザオボー「はあ…私はブログを執筆していましたので見てませんが」

ビッケ「私見ました!綺麗でしたよね!」

捜査員2「実はですね。そのウルトラホールから…いや、信じられないのですが、このようなものが落ちてきたのです」

捜査員がザオボーたちに見せたのは、デスノートの写真だった。

 

124: 2017/01/16(月)18:10:30

捜査員2「お二方はご存じありませんか?」」

ザオボー「黒いノート?知りませんが、なんですこれは?」

ビッケ「私も知りませんね。これがキラと関係あるんですか?」

捜査員3「これは名前を書かれた人間が死ぬノートです。キラはこのノートを使って殺人をしていると思われます」

ザオボー「はあ?冗談は…」

捜査員3「冗談ではありません」

 

125: 2017/01/16(月)18:11:10

捜査員4「あの、ところでルザミーネ代表は?」

ザオボー「ああ…代表はリーリエ様の一件があってから…」

ビッケ「グラジオおぼっちゃまも、母様を頼むと私たちに言い残して出ていかれましたしね」

捜査員1「…そうですか…」

ザオボー「グラジオ様は代表代理ですのにねえ…やはり大人の私の方が代表代理にふさわしいはず」

ザオボー「まあノートのことは職員たちにも聞いてみますので。そろそろいいですかね」

捜査員1「あっ、よろしくお願いします。何かわかりましたら…」

ザオボー「ええ、連絡しますよ」

 

126: 2017/01/16(月)18:11:21

捜査員たちと話しながら、ザオボーは考えていた。

ザオボー (心の強さは、目に宿るものだ)

ザオボー (ルザミーネ代表もグラジオ様もリーリエ様も、力強い目をしておられた)

ザオボー (しかし…この男はなんだ?まるで死を受け入れたかのような…)

 

127: 2017/01/16(月)18:11:30

ザオボー (…この男が私の敵になったとして)

ザオボー (私に、この男を阻むことなどできるだろうか…?)

ザオボー (臆することを知らず、決意に満ちた)

ハンサム「では我々はこれで。ご協力感謝します」

ザオボー (こんな目をした人間を…)

 

128: 2017/01/16(月)18:12:05

ハンサム「あの二人も所有者ではなかったな…」

捜査員1「そうですか…となるとルザミーネかグラジオが怪しいですかね」

捜査員2「職員たちや、あの日ここを訪れた者全員も容疑者だが…数が多すぎる…」

グック「ケケッ…大体よお、目の契約をするなら早くしろってんだ」

ハンサム「いや…うむ…少し勘違いをしていてな…」

ハンサム「契約すると、残り少ない私の刑事人生が半分になるのかと…」

グック「死神の目の値段は残りの寿命の半分だっつーの。俺が説明するまでわかんなかったのかよ」

捜査員1「うるさいぞ死神。間違いは誰にでもある。そうハンサムさんを責めるな」

グック「ケケッ…」

 

 

129: 2017/01/16(月)18:12:17

ハンサム「あーとにかくだ。これから例のポケモンスクールにもう一度行くぞ」

ハンサム「生徒が二人死亡、教員も一人行方不明。どう考えても異常だ」

ハンサム「この目なら誰が所有者なのか確実にわかる。この死神は掟がどうとかでハッキリと教えてくれんからな」

グック「ケケッ…まあ死んだリーリエって奴とマーマネって奴は所有者じゃなかったってくらいは言えるぜ」

捜査員3「あの…ハンサムさん。そのポケモンスクールですが…火災事故があったようで…」

ハンサム「何!?」

捜査員4「あっ、ネットニュースに出てますね…カキという少年が死亡したと…」

ハンサム (カキというと…あの肌の黒い半裸の少年か)

 

130: 2017/01/16(月)18:12:27

ハンサム「ちょっと貸せ」

ハンサム (む?教室でバクガメスを繰り出し、炎技を使った?)

ハンサム (その炎でトレーナーであるカキが死亡…他の者は全員無事)

ハンサム (…これは)

捜査員5「もしかしてこの火事…」

ハンサム「もしかしてではない」

ハンサム「間違いなく、デスノートによるものだ」

 

131: 2017/01/16(月)18:12:34

捜査員3「では彼らが事情聴取を受けている署に行って…」

ハンサム「いや、生徒たちは…あれでもまだ子どもだ」

ハンサム「クラスメイトが三人も立て続けに亡くなったショックを受けているかもしれん」

ハンサム「生徒たちは明日以降のほうがいい。今日は私が怪しいと睨んだ、ある男の家に行くだけにしよう」

捜査員5「誰です?」

ハンサム「あの道徳教育に関心が無さそうな…オーキド校長だ」

 

132: 2017/01/16(月)18:12:43

男は、帰宅してからずっとパソコンの前に座っていた。
その手元にあるのは、デスノート。

「削除。削除。削除。削除。削除。削除。削除。削除。削除。削除」

犯罪者を殺す時には「削除」と言うのが男の癖だ。
悪を次々と削除すれば、平和な世界が訪れるなどと信じているわけではない。
男の名はナリヤ・オーキド。
キラと呼ばれる殺人者である。

 

 

 

133: 2017/01/16(月)18:12:52

裁きを下す者が存在する。
そのことを世間に知らしめ、人々の意識を変え、小さないじめも無くす。
そしてスイレンを助け、自分の命を守る。
それがオーキドの目的であった。

ロトム「ロトトトトトト!ロトー!」

オーキド「なんだミニロト。遊んでほしいのか?」

オーキド「すまないな。ククイ君がいれば君の好きな図鑑に入れてやって…ロトム図鑑なんてものも作れただろうに」

オーキド「大丈夫、きっとまたククイ君に会えるさ。近いうちに…な」

オーキドがミニロトと名付けたロトムは、ククイが遺したものだ。
ククイの家から逃げ出し、オーキドの元にやって来た。

 

134: 2017/01/16(月)18:13:07

オーキド「…裁きか。もうやる意味もないな…」

男は手を止め、デスノートの上にペンを置いた。

オーキド「もう手遅れだ」

オーキド「残るはマオとサトシのみ。あの子は間違いなく彼らを殺すだろう」

オーキド「そしてその次には…私を」

オーキド「だが…その前にできることはある」

オーキド「せめてもの贖罪だ。あの国際警察は私が止めよう」

オーキド「国際警察ハンサム。お前に言われた通り、私は生徒と向き合って死ぬことにする」

オーキド「…ミニロト。本当にすまないな」

ロトム「ロ?」

 

135: 2017/01/16(月)18:14:13

ナリヤ・オーキト

ミニロl 自殺
〇年×月 日 時 分

オーキドのデスノートの1ページには、あと一画もしくは二画を残した状態でオーキドとミニロトの名が書かれ
さらにミニロトの死因には、日付を抜いた死亡予定があらかじめ用意されていた。
それは、完全にオーキドに利用される形での死であった。

 

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