66: 2017/01/16(月)17:50:27

ヴェラ火山公園。
アーカラ島に位置する火山である。
火山から噴出する蒸気を見に訪れる観光客も多い。

スイレン「リザードン。もう少し上かな」

スイレン「ああ、そのあたり。ちょっと止まってね」

リューク「ん?おい、何をするんだ?」

リュークの質問には、言葉ではなく行動で回答した。
スイレンはククイのポケモンやワンリキーたちのボールが入った袋と、履いていた運動靴を火口に落とした。
モンスターボールはマグマに浸かることを想定して作られたものではない。
火口底に落ちれば、中のポケモンも死ぬだろう。

スイレン「ふう、これで今日はおしまい」

スイレン「あいつのポケモンに何かされたわけじゃないけどね。ゴミ教師が育てたポケモンなんてろくでもないもん」

スイレン「生かしておいてもしょうがないよ」

スイレン「あ、ワンリキーたちは殺すこともなかったかな…まあいいや」

 

67: 2017/01/16(月)17:50:37

リューク (…こいつ、始めっからこんなだったとは思えないが)

リューク (復讐ってのはこうも人を見失わせるものなのか…?)

リューク「…ククッ」

リューク (やっぱり人間って)

リューク (面白!)

 

 

68: 2017/01/16(月)17:51:11

早朝、パソコンに映し出された犯罪者たちの名前を、必死にデスノートに書き込む者がいた。
恐ろしいほどに洗練されたストロークである。

「…死神の目」

「これさえあれば、偽名であろうと名前がわからなかろうと確実に裁ける」

「そして、デスノート所有者を見つけることさえも…」

「そうか…やはり、君だったのか」

「…奴らは、キラに恐れをなすような人間だろうか?」

「もし奴らが変わらないとしたら…また、君の目的が復讐なのだとしたら」

「この裁きに何の意味があるというんだ…?」

暗い部屋で一人、意味のない独り言を繰り返す。
死神の目を持ったその人物を、世間はキラと呼んでいる。

 

69: 2017/01/16(月)17:51:21

ククイを殺したスイレンは上機嫌だ。
これから教室に向かうのだが、今日は机にどんなイタズラをされていても気にしないだろう。

マーマネ「あ、スイレン!アローラ!」

マーマネ「今日は趣向を変えて、アナログな方法に変えてみたんだ!アローラサプラーイズ!」

スイレン「…これは」

スイレンの机には、「大量殺人犯キラの正体」という文章と共にスイレンの顔と名前が掲載されたビラが置かれていた。
スイレンは心の中で、「どんなイタズラをされていても気にしない」という考えを取り消した。
このビラは今のスイレンにとって最悪の嫌がらせであった。

 

70: 2017/01/16(月)17:51:30

リューク「ククッ このデブなかなか惜しいじゃねえか」

マーマネ「このビラをコピーしてどっかにバラ撒こうかな!ハウオリシティとか…警察署も面白いかもねー!」

カキ「リーリエは心臓麻痺で死んだからな。意外と信憑性があるかもしれないぞ」

サトシ「供養としてリーリエの死も利用してやらないとな!」

マオ「そうよ。じゃないとリーリエが可哀想」

スイレン (私がキラと同じ力を持ってることなんて、こいつらは知る由もない)

スイレン (だけどマーマネにこんなビラをバラ撒かれたら、今後の計画に支障が出るかもしれない)

スイレン (まあ、殺せばいいだけか)

 

 

71: 2017/01/16(月)17:51:38

マオ「にしても今日ククイ先生遅いねー」

マーマネ「キラに殺されてたりして」

サトシ「夜にフィールドワークに行ったみたいだけど…どこまで行ったんだろうな」

リューク「無の世界に行ったぞ」ククッ

スイレン (…)

 

72: 2017/01/16(月)17:51:49

教室でのいじめと時間を前後して、校長室には珍しい客が訪れていた。
国際警察捜査官、ハンサムである。

オーキド「こ、国際警察の方…?このような所に何か御用で?」

ハンサム「ははは。そう怖がらないでください。誰かを捕まえに来たわけではないのです」

ハンサム「実は警察のイメージアップを兼ねて、アローラの子どもたちに我々の活動を理解してもらおうという動きがありましてな」

ハンサム「今日は私が御校で授業をすることになっていたのですよ」

 

73: 2017/01/16(月)17:51:59

オーキド「はあ…しかし随分と急ですね」

ハンサム「いやあ申し訳ない。部下が連絡を取っていたはずなんですが、どうも手違いがあったようで」

ハンサム「ご迷惑でしたら日を改めて…」

オーキド「あ、いえ…実は教員が一人、朝から連絡がつかない状況でして」

オーキド「そういうことでしたら是非ともお願いしたいと思います」

ハンサム「それは有難い。ご協力に感謝しますぞ」

無論、ハンサムの話は真っ赤な嘘である。
ハンサムはこの学校にデスノート所有者がいるかどうか、探りに来たのだ。

 

 

 

74: 2017/01/16(月)17:52:07

グック「ケケッ お前嘘つくの上手いじゃねえか。警察より詐欺師のほうが向いてるんじゃねえの?」

ハンサム (本当にガラの悪い死神だこいつは…)

オーキド「では教室までご案内しましょう」

オーキド (まずいな…また教室でいじめが起きていなければいいが…)

 

75: 2017/01/16(月)17:52:15

オーキドの予感は的中した。

サトシ「オラァ!」ドゴォ

カキ「ふん!」ズガァ

マオ「えい!」ビシィ

スイレン「げ…あ…」

教室に入ったハンサムの目に入ったのは、クラスメイト三人に蹴られている少女の姿だった。
明らかないじめである。

 

76: 2017/01/16(月)17:52:24

ハンサム「こ、これは…」

オーキド (バカどもが!こんな時に…)

オーキド「何をしている!やめんか!国際警察の方が見えているんだぞ!」

サトシ「ん?国際警察?あっ、ハンサムさんじゃないですか!」

ハンサム「サ、サトシくん…!?」

サトシ「いやあお久しぶりです!今バトルロイヤルごっこしてたんですよ!一緒にどうですか?」

ハンサム (サトシくん…残虐性を秘めた子だとは思っていたが…)

 

77: 2017/01/16(月)17:52:33

サトシはギンガ団やプラズマ団の捜査で協力してくれた少年だった。
悪の組織を壊滅させようとする姿勢は正義感によるものであると、ハンサムは最初思っていたが、ある時気づいた。
この少年は自分にとって不愉快なものを排除しようとしているだけだ。
悪の組織だろうと善良な少女だろうと、邪魔と見るや等しく排除する。
それがサトシという少年の本質だった。

ハンサム「ん?この紙は…」

ハンサムが拾ったのは、マーマネが作ったビラだった。

マーマネ「ああ、この前クラスメイトのリーリエが心臓麻痺で死んじゃってね」

マーマネ「んで、スイレンが殺したってことにしようと思って」

マーマネ「だってスイレンならリーリエを殺してもおかしくないからね!」

 

78: 2017/01/16(月)17:52:42

ハンサム (なんだこのクラスは…)

ハンサム (ここはビシッと教育を…)

ハンサム (…いや、今は事を荒立てるのはまずい)

ハンサム (早く授業をやってここから去り、グックに結果を聞かねば)

ハンサム (すまない…少女よ)

ハンサム「今日は休みの先生に代わり、私が授業をすることになっている」

ハンサム「よろしく頼むよ」

 

79: 2017/01/16(月)17:52:56
電気のデブは殺せ

 

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