51: 2017/01/16(月)17:44:05

牛の骸骨のような顔を持つ死神。
グックである。

グック「ヒヒッ…グックだ。よろしくな」

驚いた捜査員たちは咄嗟にポケモンを繰り出し、攻撃を命じるものの、ポケモンたちにグックの姿は見えていない。
そもそも死神にポケモンの攻撃など効かないのだが。

ハンサム「ノートの所有権を持つ者には死神が憑くらしい」

ハンサム「キラもデスノートを持っていると考えるのが自然だろう」

ハンサム「ならば、キラにも死神が憑いているはずだ」

捜査官4「つまりキラと思しき人物に接触し、死神が憑いているかどうか確かめると…?」

ハンサム「幸いグックは捜査に協力してくれるらしい。これはチャンスだと考えるべきだ」

グック「…ケケッ」

 

52: 2017/01/16(月)17:44:23

捜査官1「しかし…キラに繋がる手がかりが」

ハンサム「先日、メレメレ島のポケモンスクールでエーテル財団の令嬢が心臓麻痺で死亡した」

ハンサム「そんな少女をキラが殺すとは考えにくいが…デスノートが関係している可能性が高い」

捜査官1「!」

ハンサム「後でエーテルパラダイスにも行くつもりだが、まずはそこからだ。当たってみる価値はあるだろう?」

死神グックの協力を得た国際警察キラ対策本部は、この日アローラに移動。
8番道路のモーテルを事実上の捜査本部とした。

 

 

 

53: 2017/01/16(月)17:44:33

スイレン「デスノートは他人の死を巻き込む殺し方ができない」

スイレン「ここが不便なところだよねリューク」

リューク「死神は人間がいなきゃ生きられないからな」

リューク「極端な話だが…死神やノートを持った人間が、3000年前の王様みたいにとんでもない兵器を持ってる奴を殺したとする」

リューク「そうしたら兵器が起動して人間も死神も滅びるかもしれないだろ」

スイレン「死神が絶滅しないための安全策かあ」

リューク「そういうこと」

 

54: 2017/01/16(月)17:44:42

リューク「さて、いよいよ明日決行か」

スイレン「誰をどう殺すか…計画は完璧だよ」

スイレン「リーリエを殺した日から今日までに、また何度も殴られた」

スイレン「おかげで殺意は十分」

スイレン「うん、完璧にやれるよ」

スイレン「あいつらにはアシマリより残酷な死を与えないと」

スイレン「まずは…あいつから」

 

55: 2017/01/16(月)17:45:09

深夜0時、サトシは誰かの足音で目を覚ました。
イワンコかピカチュウが歩いているのかと思ったが、どうやら違うようだ。
足音の正体は、同居しているククイだった。

サトシ「ククイ博士!どこか行くんですか?」

ククイ「ああ、ちょっとね」

サトシは訝しんだが、研究者らしくフィールドワークに行くのだろうと納得した。
このあたりには夜にしか出現しないポケモンもいる。
夜のポケモンの生態を調査するのかと思い、サトシは再び眠りについた。

 

56: 2017/01/16(月)17:45:25

ククイが向かったのはテンカラットヒルだ。
ククイの家からはそう遠くない。
海に面しており、最奥では木々が生い茂っている自然の大洞窟である。

スイレン「こんばんは。先生」

ククイ「スイレン…?」

そのテンカラットヒルに、スイレンはいた。
いつものビーチサンダルではなく、運動靴を履いている。
手にはスーパーで貰えるようなレジ袋を提げており、モンスターボールがいくつか入っている。

 

57: 2017/01/16(月)17:45:33

スイレン「…覚えてますか?私のいじめがなんで始まったか」

スイレン「私の口癖に苛立った先生が私を殴ったからですよ」

スイレン「本気じゃなかったんでしょうけどね。鍛えてる先生の力ですからね」

スイレン「小柄な私には大ダメージでした」

スイレン「そこからですよ」

スイレン「自分も自分もと、みんなが私を殴るようになったのは」

 

 

 

58: 2017/01/16(月)17:46:31

その口調は静かだが、スイレンの目には確かな怒りの光が灯っていた。

ククイ「それは…」

ククイ「それは違う!元はと言えばスイレン!お前がムカつくからだ!問題のある生徒をぶん殴って何が悪い!

ククイ「説教で大人しくなるガキばかりだと思うな!殴らなきゃわからないガキだっているんだ!お前がそうなんだ!自分の落ち度を俺のせいにするな!お前なんか殺されるくらい殴られるのが丁度いいんだよ!」

スイレン「…はあ、わかりました」

スイレン「それが先生の本音ですね」

 

59: 2017/01/16(月)17:46:49

ククイの言葉を聞いたスイレンは、持っていた袋からモンスターボールを取り出し、ククイに向かって投げる。
ボールから出てきたのはワンリキーやゴーリキーたちだった。

スイレン「私だってトレーナーです。かくとうタイプは専門じゃありませんが…この子たちの扱いもうまくできますよ」

スイレン「さあみんな」

スイレン「やっちゃっていいよ。殺さない程度にね」

ワンリキーたちが、スイレンの指示を受けてククイに襲い掛かった。

 

60: 2017/01/16(月)17:47:02

ククイ「ぐっ!?が…やめ…!」ドガッバキッ

ククイ「あ…ぎ…げがっ…」ドゴォ

ワンリキーたちに何発殴られようと、ククイは抵抗できない。

ククイ「ズイ…だつげ…」

スイレン「先生は」

スイレン「一度でも、殴られてる私を助けてくれたことがありましたか?」

ククイ「が…」

 

61: 2017/01/16(月)17:47:15

技の研究者であるククイは、ポケモンの技をその身に受けることもしばしばある。
しかし、全身が筋肉であるワンリキー系統の攻撃は、人間が受けるにはあまりにも強力すぎた。
何分か経つ頃には、ククイは満身創痍となっていた。

スイレン「ふう…こんなものかな」

スイレン「ありがとうみんな。ボールに戻っていいよ」

ククイ「う…あ…」

スイレン「…」ドスッ

最後にスイレンはククイの顔を蹴った。
胸の奥のどす黒い思念が、少しだけ浄化された気がした。

 

62: 2017/01/16(月)17:47:26

スイレン「うん先生、足は比較的ダメージが少ないですね。まだ歩けそうです」

スイレン「あ、そうそう。これは私が捨てておきますよ」

ククイのモンスターボールを奪うスイレン。
奪ったボールは、ワンリキーたちのボールが入ったレジ袋に放り込んだ。

スイレン「それじゃあ私は帰りますね」

スイレン「さようなら先生」

スイレン「最後の授業、ありがとうございました」

 

63: 2017/01/16(月)17:49:34

テンカラットヒルを去るスイレンが、その手に持つデスノート。
そこにはこのような文章が書かれていた。

ククイ 自殺
〇年×月△日午前0時00分。
手持ちのポケモンを持ってテンカラットヒルに向かい、そこで待っていた少女と会話し、自分の本心を曝け出す。
その場で少女に何をされようと、全く抵抗をせずに耐える。
少女がテンカラットヒルを去った後、人に迷惑がかからぬ様、自分が考えられる最大限の遺体の発見されない自殺の方法を考え、6時間以内に実行し死亡。

 

64: 2017/01/16(月)17:49:45

リューク「ククッ、お疲れスイレン。まずは一人だな」

ククイへの復讐を見ていたリュークが現れ、スイレンに声をかけた。

スイレン「まだ夜のうちにやることが残ってるよ」

リューク「あん?デスノートにあいつの名前を書いたし、もう帰って寝るだけだろ?」

スイレン「言ったでしょ?完璧にやるって」

 

 

65: 2017/01/16(月)17:49:54

スイレン「さてと」

スイレンはライドギアを使い、ライドポケモンのリザードンを呼び出した。
このライドギア、元はポケモンレンジャーが使っていた「ポケモンを呼び出すサイン」を研究し、誰でも使えるように改良したものだ。
様々な種類のポケモンを呼び出すことができる非常に便利な道具である。

スイレン「リザードン、ヴェラ火山公園までお願い」

 

 

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