37: 2017/01/16(月)17:41:49

「昨夜、アローラ地方全土で観測された5つのワームホールですが…」

「数年前にモーン博士という人物がこれと同様のものを発見しており、モーン博士が命名したウルトラホールという名称を…」

「なお博士は失踪しており、ウルトラホールは異世界に通じる扉であると博士は…」

「ウルトラホールからは謎のノートのようなものが落下してきたという目撃証言が…」

ポータウン。
その奥にある屋敷の一室で、ニュースが流れたテレビの前に座り、何かを考えている男がいた。
男の名はグズマ。
スカル団のボスである。



 

 

38: 2017/01/16(月)17:41:57

グズマ (どうなってんだ…)

グズマ (明らかにこのノートのせい…だが意味わかんねえ…)

グズマ (デスノート…異世界から落ちてきたノートだと…?)

部下が屋敷の前で拾って来たノート。
「オレのラクガキ帳にしてもいいスカ?」と言うので許可したのだが、早速ノートに自分の名前を書いた部下が突然死んだ。
表紙は黒かったから名前が書けなかったので、1ページ目に名前を書いていた。

グズマ (名前を書くと死ぬ…死のノートだってのか…?)

そして、男の前にも死神が現れる。

 

39: 2017/01/16(月)17:42:07

夜のエーテルパラダイスは、ライトアップされており非常に美しい。
その一角には代表であるルザミーネの家がある。

ルザミーネ「私は…ただあなたと生きたかっただけなのに…」

ルザミーネ「あの人も…どうして私を孤独にしていくの…?」

ルザミーネ「私の幸福を取り戻したい…そうでなければ、私は」

人間の体と心は、それぞれ別に死ぬものだ。
そしてルザミーネの心は、もう死にかかっている。

 

40: 2017/01/16(月)17:42:16

「…母様」

そんな母の姿を見かね、声をかけた少年。
ルザミーネの息子でありリーリエの兄、グラジオである。

ルザミーネ「ねえ、グラジオ。あなたはどこにも行かないわよね…?」

グラジオ「…はい」

この夜、エーテルパラダイスに一匹の白い死神が舞い降りた。

 

41: 2017/01/16(月)17:42:27

そしてここにも

「リーリエが死んだ…いや…殺された…」

「すまん…君を守る力は…無かったんだ…」

「そうだ…悪いのは…あの腐った精神を持ったクズども」

「しかし、そんなことをすれば…すぐにも捕まる」

「ならば世界中の悪を、片っ端から殺していけば」

「そうだ、それしかない」

「そうしなければ生き残れない」

「だから頼む、許してくれ…」

デスノートを持つ、死神に憑かれた人間が一人。

 

42: 2017/01/16(月)17:42:36

リューク「学校が終わったら妹や母親の世話に家事…それに勉強か」

リューク「大変だなお前も」

スイレン「これからはもっと忙しくなるよ」

リューク「ククッ…違いない」

全ての仕事を終えたスイレンは、自室にこもり、一枚の紙に何かを書いている。
デスノートのルールを何度も見直しながら、決して失敗しないように。
クラスメイトの殺害計画を練っているのだ。

 

43: 2017/01/16(月)17:42:46

スイレン (贖わせるつもりなんかない)

スイレン (そんなことをしても私の心の傷は癒えない)

スイレン (この地獄から這い上がる方法は、たったひとつ)

スイレン (だから私は…)

スイレン (ただ殺す)

スイレン (無意味に、虫を殺すように)

スイレン (あいつらの命を踏みにじってやる)

 

44: 2017/01/16(月)17:42:54

リュークは嘘をついた。
スイレンのデスノートは落し物などではない。
説明文を書いたのは落とし主の死神ではない。
なぜ嘘をついたのか。
そのほうが面白いからだ。

リューク (ククッ…楽しませてもらうぜ、スイレン)

人間界に落とされた6冊のデスノート。
人々の運命は、死神によって狂わされていく。

 

 

 

45: 2017/01/16(月)17:43:05

ここ数日、世界各地で起こっている、犯罪者たちが心臓麻痺で死亡する事件。
その犯人はキラと呼ばれており、主に若年層に絶大な人気を誇っている。
そのキラを逮捕するため、国際警察はキラ対策本部を設置し捜査を始めた。
捜査の指揮を執るのは、ハンサムという男。
今はポケモントレーナーではないが、各地方で様々な事件を解決してきた実績のある、有能な捜査官である。

ハンサム「皆、今から話すことを全て理解でき、信じられる者は恐らく皆無だろう」

ハンサム「しかし真実だ。どうか聞いてほしい」

捜査官1「ハンサムさんの話を疑う者などここにはいませんよ」

捜査官2「そうです。もったいぶらず話してください」

ハンサム「うむ…今回の心臓麻痺による大量変死事件…キラ事件だが」

ハンサム「死神が落としたノートが関係している」

 

46: 2017/01/16(月)17:43:15

捜査官1「は?」

捜査官2「し、死神…?」

ハンサム「落ち着け。ふざけているわけではない」

ハンサム「先日、アローラ地方でウルトラホールが観測されただろう」

捜査官3「は、はあ…メレメレ島上空に2つ、アーカラ島上空に1つ、ウラウラ島上空に1つ、エーテルパラダイス上空に1つ…計5つですね」

ハンサム「この映像を見てほしい」

モニターに映し出されたのは、例のウルトラホールの映像だった。

ハンサム「ここだ。拡大するぞ」

捜査官4「!あれは…」

ハンサム「見えるか?一冊のノートがウルトラホールから落ちてきている」

捜査官1「ノートが黒い上に背景が夜空だからわかりにくいが…たしかに見える…」

 

47: 2017/01/16(月)17:43:26

ハンサム「ノートの一冊は、アーカラ島のコニコシティ近辺に落ちた」

ハンサム「そのすぐ近く。9番道路の交番に勤務する警官がノートを偶然拾ったのだが…」

ハンサム「彼の話ではその時、ありえないものが見えたのだという」

捜査官5「ありえないもの?」

ハンサム「死神だ」

 

48: 2017/01/16(月)17:43:35

ハンサム「私はその日、仕事でアローラにいた」

ハンサム「マリエシティで元ロケット団幹部と思しき人物が目撃されたので、調査に行っていたのだ」

ハンサム「そうしたら現地の警察署から連絡が来てな…見に行ったら酷いものだった」

ハンサム「署員や署を訪れていた人のほとんどが発狂していて、彼らのポケモンがボールから出され…まさに地獄絵図だった」

捜査員2「それは…いったいなぜ?」

ハンサム「例の交番勤務の彼が署にノートを持って行ったのだ」

ハンサム「死神がつきまとっている状況だからな…仲間の元に逃げれば安全と思ったのだろう」

ハンサム「結果、死神を署に連れ帰ってしまった。そして何よりまずかったのは」

ハンサム「ノートに触ると死神が見えるようになる、ということだ」

 

49: 2017/01/16(月)17:43:44

捜査員1「…そのノートは今どこに…?」

ハンサム「ここにある」

ハンサムは重厚なアタッシュケースから例のノートを取り出した。
表紙にはスイレンのものと同じように、「デスノート」と書かれている。
先ほどの話を聞いていた捜査員たちの間にどよめきが走る。

ハンサム「デスノート。死神がこの世界に落としたものだ」

ハンサム「ノートの説明は丁寧に書かれていたので、後で捜査資料として配布する」

ハンサム「簡単に言えばこれは、『名前を書かれた人間が死ぬノート』だ」

 

50: 2017/01/16(月)17:43:54

ハンサム「私は既にノートに触ったからな、私には死神の姿が見えている」

ハンサム「というより、色々あって私に憑いている」

ハンサム「死神を恐れない者はデスノートに触ってくれ。無論、強制はしない」

捜査員たち「…」

ハンサムは捜査のために死神に憑依された。
彼がこれだけの覚悟を見せているというのに、自分たちが何もしないわけにはいかない。
そんな思いに突き動かされ、捜査員たちはノートに触った。
その瞬間、ハンサムの後ろにこの世のものとは思えぬ恐ろしい怪物が現れた。

 

 

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