281: 2017/01/16(月)19:16:02

サトシ「がぁっ…!?」

爆発に巻き込まれたサトシ。
爆風と、地面の損傷具合を見るに、その威力は「じばく」と同等だろう。

サトシ (爆発…!?)

サトシ (バカな…あいつは爆弾を持っていなかったはず…)

スイレン「ははっ…」

スイレン「爆発したのは…ヨプの実、ナモの実を主材料にした調合液と、ジャポの実、ラッカの実を主材料にした調合液」

スイレン「この二種類の液体を混ぜると大爆発を起こすんだって。マオの自由研究によると戦争にも使われたらしいよ」

スイレン「そんな木の実が採れるなんて流石アローラだよね。誰かが育ててたのかもしれないけど」

 

 

282: 2017/01/16(月)19:16:17

サトシ「てめえ…」

スイレン「運が悪かったねサトシ」

スイレン「卑怯とは…言わないよね?」

サトシ「は…ははっ…クソが…」

サトシ「どこまで抵抗しやがるんだ…!もう終わりなんだよ…何もかもなあ!ここまではかなりの強運だったがそれがどうした!運で俺に勝てるかバカが!」

スイレン「私を相手にそこまで傷を負うなんて…死神じゃないほうの神様にも見放されたんじゃないの?日頃の行いってやつだよ」

スイレン「私やアシマリ、そして他の人たちへの行いが祟ったかのかもね」

サトシ「なぁーにが祟りだ!このクソ田舎のクソバカはそんな不確かなものを信じてんのか?だいたい俺の神経を逆撫でする奴を殺して何が悪い!そんな奴らはゴミなんだよ。いわばゴミ掃除だ。環境のためにボランティア活動をしてやってるんだろうが!」

スイレン「…そんなサトシのせいでアシマリが死んだ。私の人生が壊れた。何もかもを奪われた!」

サトシ「一瞬とはいえ我を忘れた。これほどの負傷をした。俺の才能の絶対性が失われた。俺のアローラライフは台無しになったし、今日が俺の人生で最大にして最低の日になった」

スイレン「お前さえ!お前さえいなければ!」

サトシ「てめえさえ!てめえさえいなければ!」

 

283: 2017/01/16(月)19:16:27

スイレンの精神は澄んでいた。
今はただ、襲い来るサトシのことだけを考えていた。
サトシの姿のみを見て、サトシの足跡のみを聞いていた。

スイレン (残りの弾は一発)

スイレン (狙うべきは…)

サトシ (狙われるのは…)

サトシ「おおおおおおおおおおッ!」

全身を走る激痛のため、サトシの動きは普段より鈍い。
銃を構え、サトシの攻撃の回避すら思考から排除したスイレンは、全ての感情を捨て、銃弾をかわせないほどの近距離までサトシを引きつけ
引き金を引いた。

 

284: 2017/01/16(月)19:16:36

スイレン (本当に…どんな体をしてるの…!?)

這いつくばりながらもスイレンのほうに向かうサトシ。

サトシ (くそ…体に力が入らない…)

サトシ (この状態はまずい…早くなんとかしないと…)

サトシ (スイレンは…残念だがデスノートを使って殺す…)

サトシ (心底ムカつくが…プライドよりも命のほうを優先すべきだ…)

サトシ (今は…今やるべきことは…)

 

 

285: 2017/01/16(月)19:16:42

力なく横たわるスイレンの元に辿り着いたサトシ。
その目的は…

サトシ「…これか」

スイレン (ライドギア…!?)

スイレン (まさか…!)

サトシがスイレンのライドギアを奪い呼び出したのは、スイレンが使用したライドポケモン。
リザードンであった。

 

286: 2017/01/16(月)19:16:57

リザードン「ゴアァ!」

サトシ「く…くくっ…悪いが俺の勝ちのようだな…スイレン」

スイレン「な…」

少しだけ回復したサトシは、血を地面に零しながら、泥酔した人間のような足取りでリザードンに乗った。

スイレン「逃が…さない…」

サトシ「…逃げる?バカめ」

サトシ「俺にはこの血を絶やさないという使命がある。一族の進化のためにな」

サトシ「この体に流れる血を、ノアの方舟に乗せて遥か未来にまで届けたい」

サトシ「だからここは退く。それだけだ」

サトシ「お前は後でノートを使って殺す。俺をここまで追い詰めたことを誇りに思って死ね」

サトシ「じゃあな、スイレン」

スイレン「サト…シ…ま…て…」

スイレン「あ…」

あと一歩。
最後の標的を殺すチャンスを、あと一歩のところで逃がした。
夜空に消える炎を見つめるスイレンの心には、怒りと無念、後悔と悲しさが嵐のように渦巻いていた。

 

 

287: 2017/01/16(月)19:17:09

サトシ (ちくしょう…ダメージが予想以上に大きいな…)

リザードンが向かう先は、サトシの家である。

サトシ (しばらく激しい運動はできない…スイレンを殺した後は家でゆっくり寝るか…)

サトシ (スイレンがデスノートの対策をしていないのはマオの時の反応で確認済み)

サトシ (俺が家に帰るまでの時間で死の予約を入れる可能性もあるが、それならそれで問題ない)

サトシ (その場合はまたスイレンを殺しに行けばいいだけのことだ)

サトシ (全く、あのナイフがあれば簡単に済んだ話なのに…どこかに飛んでいったからな…)

サトシ (スイレンの家の近くに隠れてた奴…おそらくテンカラットヒルの奴と同一人物だろうが、あれも所有者か?)

サトシ (顔が見えなかったが大丈夫だろう。襲ってきたら殺せばいいだけだ)

考えたいことはまだあったが、サトシはそこで思考を止めた。
先程から聞こえていたヘリコプターの爆音と風切り音。
そのヘリの投光器から放たれた光が、サトシとリザードンを包んだからである。

 

288: 2017/01/16(月)19:17:16

サトシ (!まさか…)

サトシはリザードンから飛び降りた。
その直後である。
無数の銃弾がヘリからリザードンの体に撃ち込まれた。

リザードン「ゴ…」

即死するリザードンを見て、地面に倒れたサトシは舌打ちした。

サトシ「ちっ…」

サトシ (こんな真似ができるのは…)

上空を飛ぶリザードンから落ちたサトシの周りを、ある集団が包囲した。
重武装した国際警察特殊部隊である。

 

289: 2017/01/16(月)19:17:25

部隊長「そのサトシという少年はコードネーム・ハンサムを殺害した犯人であり、大量殺人兵器を所有している」

部隊長「目標を速やかに無力化することが本作戦の目的である」

部隊長「射殺もやむなし!」

部隊長「なお、大量殺人兵器を警戒し、ポケモンの使用は禁止とする」

部隊長「所持品はすべて回収すること。特に、小型のノート、あるいはそれに類するものの確保を至上命令とする」

サトシ「国際警察…!」

サトシ (…やってくれたな。ハンサム)

 

 

 

290: 2017/01/16(月)19:17:53

ハンサムが所持していたインターナショナル・ポリスアームズNo12インターナショナルスマートサテライトフォン。
ハンサムはサトシを、そしてデスノートを確実に処分するため、これを利用した。

ハンサム「見ろ、この画面だ」

デリダブリー「へえ、人間の世界もハイテクになったんだな」

ハンサム「オーキドがいいヒントをくれた。捜査員の補充など望んではいないが、所有者を確実に倒せるのならばな」

グック「ケケッ…国際警察ともあろうお方がキラのパクリかよ?」

ハンサム「なんとでも言え。正義のためだ」

ハンサム「これはオーキドが使ったシステムの改良版だ。起動もより手軽」

ハンサム「そして私の心臓が鼓動を止めれば、録音はストップし、システムは端末から削除される仕組みだ」

グック「お前が死ぬのまだ先だろ?そんな機能いるのかよ」

ハンサム「国際警察捜査員に想定外は許されない。自分の死すら計算に入れなければならないからな」

オーキドが使用した、録音データの自動転送システム。
このシステムをハンサムも使ったのである。
転送先は国際警察本部。
本部はハンサムが転送した音声を聞き、サトシが所有者であると断定した。
そしてサトシを仕留めるため、この作戦を実行したのである。

 

291: 2017/01/16(月)19:18:54
スレインかと思った

 

292: 2017/01/16(月)19:19:15

サトシ「俺を…俺を殺すだと…!?」

サトシ「くっ…はは…はははははははははははははははは!」

サトシ「クソバカ共がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ゴミの分際で!下等生物の分際で!俺を!俺を殺すだと!?」

サトシ「デスノートを拾ったからか!?それで俺の気に入らない奴らを殺したからか!」

サトシ「何が悪い!何が悪いってんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!人を殺すのが悪いことだって言うのかぁ!?テメェらも同じような事してんだろがよぉぉぉぉぉ!」

サトシ「法律だの正義だのって御託並べて!バンバン人を殺してんだろうがよぉぉぉぉぉぉぉぉ!ざけんなよ!ざけんなざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

サトシ「死神ぃぃぃぃぃぃぃ!殺せ!殺せぇぇぇー!ここにいるモブ共を全員ブチ殺せぇぇぇぇぇぇぇぇ!ヘルメットを取って!デスノートに名前を書くんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

サトシ「俺に楯突いたことを後悔させてやるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

293: 2017/01/16(月)19:19:37

ゼルオギー「…なあサトシ。俺たち死神にはお前の寿命が見える」

ゼルオギー「俺が最初にお前に会った時、お前の寿命は何十年も先だった」

ゼルオギー「だが、デスノートは関わった人間の寿命を変えてしまう」

ゼルオギー「ある日、お前の寿命はとんでもなく縮まった」

ゼルオギー「スイレンとかいう女に執着しすぎたせいかもな」

サトシ「ああ!?それがどうしたぁぁぁぁぁぁぁぁ!お前がこいつらを殺せばそれで終わるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!命を捨てて俺を守れカスがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!2匹もいればこいつら全員殺せるだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

サトシ「俺がこんな下等な人間共に殺されようとしてるんだぞぉぉぉぉぉぉぉ!?俺は絶対に嫌だ!嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!てめえら俺を守れよこのカスがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

デリダブリー「何言ってんだこいつ」

ゼルオギー「…最後の最後で錯乱したか。死の恐怖に飲み込まれたのか?」

ゼルオギー「残念だよサトシ。人間から進化した新種とか言ってたが…結局お前は人間だったんだな」

ゼルオギー「お前は全ての人間の上に立ってるつもりだったんだろうが、それはお前の思い込みだ」

ゼルオギー「お前は自分一人だけの世界でナンバーワンを自称する、弱い人間」

ゼルオギー「ああ、そういう意味ではお前は普通じゃなかったのかもしれないな」

 

294: 2017/01/16(月)19:19:47

部隊長「…射撃準備だ」

サトシ「…!」

ゼルオギー「これが、お前の進化の結末だ」

ゼルオギー「もうお前は終わりだ。ここで死ね」

小銃を構えた隊員たち全員が、その銃口をサトシのほうに向ける。
ヘリは滞空したまま、投光器でサトシの周りを照らしている。

ゼルオギー「じゃあな。あばよ。新生物」

サトシ「あ…」

 

295: 2017/01/16(月)19:19:57

サトシ (俺は…俺は…)

サトシ (ただ…理想の人生を歩みたかっただけだ…)

サトシ (他の人間と違う、自分のやりたいことをやるだけの人生を…)

サトシ (殺人は…目的でもあったし手段でもあった…)

サトシ (快楽を満たすため、または自分の身を守るために何十人と殺してきた)

サトシ (デスノートを手に入れた時は心が躍った。これでもっと楽しめるはずだと。普通に人を殺す時とは違うものが味わえるはずだと…)

サトシ (そのはずだったのに…これは…この結果は…)

サトシ (俺にとって最高の人生を歩み、そしてこの体に流れる血を何十世紀も先まで送り届ける…)

サトシ (それでこそ勝利といえるんだ…!)

サトシ (死んでしまってはそれは…)

サトシ (敗…)

サトシに銃口を向けて、片膝をついている目の前の隊員たち。
その銃口が一斉に光を放つ。
それが、サトシが最後に見た光景だった。

 

296: 2017/01/16(月)19:20:11

スイレン「サトシは…私を殺すつもりだって言ってた…」

スイレン「今殺されるわけにはいかない…」

スイレン「ここで死ぬくらいなら太く短く…くっ…デスノートに私の死を書き込んで…」

グラジオ「その必要は無い」

スイレン「!」

スイレン「お前はっ…!」

グラジオ「ヌル。たいあたり」

スイレン「ぐげっ…!」

スイレン「なん…で…」

満身創痍のスイレンの前に現れたのは、タイプ:ヌルを従えたグラジオであった。

 

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