196: 2017/01/16(月)18:35:29

マオ「さてと、スイレン」

マオ「私にデスノートは効かないよ」

そこまで話したマオは立ち止まり、一枚の紙を取り出した。
デスノートの切れ端である。

スイレン「!…まさか」

そのまま、マオは切れ端にペンを走らせた。
当然、書くのはスイレンの名前である。

スイレン「マオ!」

飛びかかり、デスノートの使用を阻止するスイレン。
どうやらまだ書き終わってはいなかったようだ。

スイレン (死神の目で寿命が見えるってことはマオは所有者じゃない…)

スイレン (となれば操られているか、切れ端を入手して自分の意志でやってるかが重要になる)

スイレン (前者なら私は殺されないけど、もし後者だったら油断すれば殺される…)

スイレン (そして前者なら私はマオを殺せない…)

スイレン (どうする…?)

 

 

197: 2017/01/16(月)18:35:39

テンカラットヒルの最奥に通じる洞窟。
そこにハンサムは隠れていた。
使用したのはインターナショナルポリス・アームズNo2インビジブルクロースである。
マオのことしか考えていなかったスイレンはともかく、リュークには気づかれていたのだが。

ハンサム (約束の時間は0時と言っていたが…マオもスイレンも入って行ったようだ)

ハンサム (そしてスイレン…本当に所有者だったとは…!)

ハンサム (よし、もう少し近くから様子を窺い、隙を見て逮捕と行くべきだな…)

デリダブリー「おい、デスノートを出しやすいところに入れておいた方がいいんじゃねえのか?」

ハンサム「必要ない。背広に入れておけばいいだろう。どうせ使わないのだし、持ち歩くだけで十分だ」

ハンサム「持ち歩くのも危険だが…捜査本部に置いておくよりは安全だからな」

死神と会話しながらインビジブルクロースを畳み、最奥へと進もうとしたハンサム。
しかしそれは叶わなかった。

 

198: 2017/01/16(月)18:35:46

「ピカチュウ、エレキボール」

ハンサム「がぁっ!?」

背後から聞こえた命令とほぼ同時に繰り出された電撃。
そのポケモン。洗練された技。トレーナーの声と姿。
ハンサムは、その全てをよく知っていた。

ハンサム「お…前は…」

サトシ「こんばんは、ハンサムさん」

 

199: 2017/01/16(月)18:35:56

ハンサム「…お前も、所有者だったのか…」

サトシ「そうだ。カキも、あのフーディン使い以外の捜査員たちも俺が殺した」

サトシ「オーキドから送られてきた動画を見てな」

ハンサム「な…」

サトシ「カキを殺した日、クラスの連中と教員数人が警察の事情聴取を受けたが、その時俺はオーキドとすれ違ったんだ」

サトシ「思えばあの時、オーキドは俺が所有者だと知ったんだな」

ハンサム「…やはり、私への通報は罠だったのだな」

サトシ「疑ってたくせに何を今更。まあ来てくれたことに感謝するよ」

サトシ「もっともマオの邪魔をされたら困るからな。悪いがここで死んでもらうぜ」

サトシ「死の予約でデスノートを無効化したんだろうが…問題ない」

サトシ「デスノートを奪えばいいんだからな。背広に入れてあるんだろ?」

 

 

200: 2017/01/16(月)18:36:03

ハンサム「くっ…!」

ハンサムは膝に手を当てながら立ち上がり、鋭い眼光でサトシを睨みつけた。

ハンサム「…そうか。ならばここで…何としても逮捕せねばな…」

サトシ「…フン」

サトシ「やれ。ピカチュウ」

サトシの命令を受け、ピカチュウがハンサムに向かって走り出す。

ハンサム「インターナショナルポリス・アームズNo4プロテクトロック!」

ハンサムはピカチュウの前に張りぼての岩を投げつけ、抵抗する。

サトシ「アイアンテール」

ピカチュウ「チュピッ!」

しかし岩は全て、数秒で破壊されてしまった。

 

201: 2017/01/16(月)18:36:11

サトシ「!」

サトシは手首に違和感を覚えた。
見ると、いつの間にか左手にロープ付きの手錠がはめられていた。
インターナショナルポリス・アームズNo11アジャスタブルワッパである。

ハンサム「ははっ…どうだ…」

サトシ「ふうん。少しは頑張るんだな。お前への評価を改めてやるよ」

サトシは眉一つ動かさず、手錠に右手をかけた。
そしてそのまま、手錠を破壊してしまった。

ハンサム「…馬鹿な」

サトシ「でんこうせっか」

ハンサム「ぐぅっ…!」

ピカチュウの突撃を受けたハンサムは、たまらず嘔吐して倒れた。

 

202: 2017/01/16(月)18:36:20

サトシ「やっぱ反応はスイレンのほうが面白いな。中年だと若々しさが足りない」

ハンサム「…なんなんだお前は…なぜ…そこまで残酷になれる…」

ハンサム「なぜ簡単に人を傷つけられる…人を殺せるんだ…」

サトシ「…俺の一族は、遥か昔から強さだけを求めてきた」

サトシ「肉体と、頭脳の強さだ」

邪悪な笑みを浮かべながら、サトシは意気揚々と語り出した。

 

203: 2017/01/16(月)18:36:23
こっちでもやってんのか
SS速報のがまとめられやすいぞ

 

204: 2017/01/16(月)18:36:33

サトシ「俺の祖先は、戦争の度に武勲を立てていた英雄だった。その立場上、戦うための身体能力と敵を殺すための残虐性が強い息子に家を継がせた」

サトシ「その子孫たちは、ある時は強いトレーナーや武芸者の娘と、ある時は残虐な殺人鬼と契りを結んだ」

サトシ「品種改良と邪悪さの吸収、そして継承…その果てにどんな変化が起きたか」

サトシ「現生人類のそれを遥かに凌駕した性能の肉体。揺るぎない真っ黒な脳細胞」

サトシ「人間から飛び出て、人間を追い越した存在…それがこの俺だ」

サトシ「生物種としての勝負で、既にお前ら人間は俺に負けてるんだ」

サトシ「お前も、スイレンも、そして他の所有者たちも…デスノートを持っているという条件を揃えた程度で俺に勝てるわけがないだろ?」

ハンサム (…化け物め…!)

 

205: 2017/01/16(月)18:37:43

ハンサム「…インターナショナルポリス・アームズNo3バリアブルロープ!」

ハンサムが鉤縄をサトシの顔めがけて発射するが、サトシは首の動きひとつでそれを躱す。

ハンサム「くっ…」

ハンサム (グレッグル…せめてお前がいてくれたら…もっと戦えたかもしれないが…)

サトシ「10まんボルト」

ハンサム「ぎっ…」

亡き相棒のことを想っている間に強力すぎる電撃を受け、ハンサムの意識が遠のく。
しかしそれでも死にはしない。
ハンサム自身がそう工作したのだから。

サトシ「もう動けないか…ここまでだなハンサム」

サトシはハンサムの背広からデスノートと拳銃を奪った。
国際警察は相棒のポケモンが支給されるまでは拳銃を所持しなければならない。
それをサトシは知っていた。
以前ハンサムが話していたからだ。

 

206: 2017/01/16(月)18:38:01

サトシ「さて…このページだな」

そこには、スイレンが奪ったデスノートに書いた文章と同じものが書かれていた。
違うのは日付だけだった。

サトシ「こいつのために長々と文章を書くのは面倒だ…死因は心臓麻痺でいいか」

サトシはハンサムが書いた死因に二重線を書き、心臓麻痺と書き直した。
その後、ハンサムはビクンと痙攣したが、それきり動かなくなった。

サトシ「刑事なんてやってなければもっと長生きできたのにな」

ハンサムの頭を蹴りながら、サトシは言った。

ゼルオギー「…」

サトシ「ゼルオギー、この銃はお前が持っててくれ」

サトシ「お前ならその銃で俺を殺さないから安心できる。死神がデスノート以外で人を殺したら死ぬんだろ?」

ゼルオギー「…ああ」

サトシ「さて、スイレンたちの様子を見に行くか。そこらのポケモンバトルより面白いぜ?」

 

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