180: 2017/01/16(月)18:26:29

一人になった捜査本部で、ハンサムは国際警察長官に報告している。
報告に使用しているのは、インターナショナルアームズNo12インターナショナルスマートサテライトフォンである。

ハンサム「ええ…そういうことです」

ハンサム「無論、捜査を打ち切るつもりはありません」

ハンサム「私は一人でも戦い抜きます」

 

181: 2017/01/16(月)18:26:46

ハンサム「所有者と思われる者を殺せばいい?」

ハンサム「それはただの殺人です。刑事のすることではない」

ハンサム「…デスノートのことを信じていただいただけでも感謝しています」

ハンサム「ああ、これは私の希望ですが…私が死んだ場合、新たな人員を補充して捜査を続行して頂きたくはありません」

ハンサム「命を賭けた争いなど…もう充分です」

ハンサム「私が勝つにせよ、所有者が勝つにせよ、勝てば官軍…それでいいではありませんか」

ハンサム「まあそれが正しいかは知りませんがな。とにかく私は刑事として生き、死ぬつもりです」

ハンサム「…失礼します。長官」

 

 

182: 2017/01/16(月)18:26:57

デリダブリー「これが最後の報告になりますって、言わなくて良かったのか?」

ハンサム「何を馬鹿な。まだ残る所有者を全員捕まえたとの報告をしなければならないだろう」

グック「ケケッ…ハウオリシティのあいつは死んだけど、あと4人いるのは確実だ」

グック「残された時間で全員捕まえられるのかよ?」

ハンサム「…どうだろうな。残る刑事は私しかいないからな…だがそれでも」

ハンサム「私はやるべきことをやる。それだけだ」

グック「ケケッ…」

 

183: 2017/01/16(月)18:27:05

ハンサム「たとえ所有者が100人いようとも…む?」

グック「モーテルの電話だな。早く出ろよ」

ハンサム「あー、こちら国際警察キラ対策捜査本部だが」

ハンサム「お、おお…君か。たしかに私がハンサムだ」

ハンサム「いや…部下はもういなくてな…何?」

ハンサム「…それは本当か!?ああ、テンカラットヒルに0時だな」

ハンサム「そうだ。君は行かない方がいい。私が行くから安心しろ」

ハンサム「うむ。通報に感謝する」

 

184: 2017/01/16(月)18:27:19

デリダブリー「なんだって?」

ハンサム「件のスイレンが、何か弱味を握って同級生のマオを呼び出したらしい」

ハンサム「0時にテンカラットヒルに来いと言われたとのことだ」

ハンサム「彼もマオに相談されて知ったのだが、危険なので自分では行きにくい。そこで私に通報したらしい」

ハンサム「他の同級生…マーマネの死亡推定時刻も深夜だったろう?もしかしたらデスノートが関係しているかもしれん」

ハンサム「マオも行かせないようにすべきかは微妙なところだが…」

グック「で、誰がそんな通報したんだ?」

ハンサム「お前たちも知っているだろう。あのポケモンスクールに通っている…」

ハンサム「サトシくんだ」

 

185: 2017/01/16(月)18:27:37

グック「ケケッ…罠かもしれねえぜ?」

ハンサム「サトシくんが所有者で、私を殺そうとしている…そういうことか?」

ハンサム「その可能性も考えた。だが問題は無いだろう」

ハンサム「どのみち、あのクラスの誰かがテンカラットヒルに来ることに変わりはない」

ハンサム「所有者は間違いなく、あのクラスにいるのだ」

ハンサム「ならば私は刑事として、体を張って逮捕に向かう」

デリダブリー「面白いじゃねえか。頑張れよ」

こうして、二匹の死神を従えた男は、刑事としての最後の戦いに挑む。

 

186: 2017/01/16(月)18:27:45

ビッケ「久々の出張は疲れましたねえ」

ビッケは、用事でエーテルパラダイスから抜け出し、ある男を迎えに行っていた。
たった今エーテルパラダイスに帰って来たばかりである。

ビッケ「デスノートも死神も、あなたには関係のない話…もう関わらなくていいんです」

ビッケ「エーテル財団のため、ルザミーネ様たちのためです」

ビッケ「あなたにはこのエーテルパラダイスにいていただきますよ」

ビッケ「死ぬまでね」

 

 

187: 2017/01/16(月)18:27:54

仮眠を終え、風呂に入り、夕食を済ませたスイレンはマオを殺す準備に取り掛かる。
森で手に入れたものをバッグに入れ、デスノートも忘れずに持って行く。
その全てがごく自然な動作である。

スイレン「野外で人を殺す時、失敗する一番の要因ってなんだと思う?」

リューク「誰かに見られたり、邪魔されたりすることだろ」

スイレン「そうそう。野生ポケモンが襲って来るとかもありえるよね」

スイレン「だからその前に殺さないといけない。40秒もかけずにね」

スイレンがリュークに見せたのは、右端に「即死」と書かれたデスノートのページである。

リューク「ああ、前に作ってたなこれ」

リューク「でもこれまで使う機会無かったじゃねえか」

スイレン「念には念を、だよリューク」

 

188: 2017/01/16(月)18:28:01

リューク「にしても、その小瓶は重くないのか?」

リューク「他にも色々入ってるけど特に重そうだぞ」

リュークが指さしたのは、スイレンのバッグに入った何本もの小瓶である。
中には様々な木の実から調合した特殊な液体が入っている。

スイレン「これでも減らしたほうなんだよ。本当は50種類くらい試したかったんだけどね」

スイレン「マオにはタポルの実とロメの実とアマカジの毒を調合した溶解液で、アシマリの手足を溶かされたからね」

スイレン「同じように、自然のものを使って殺してあげたいんだよ」

リューク「ククッ…それは楽しみだ」

スイレン「…さてと、行こうか」

 

189: 2017/01/16(月)18:28:09

23時30分。
スイレンは時間より早く、デスノートに指定した場所であるテンカラットヒルに到着した。
ここから見る星空はとても美しいので、実はスイレンはこの場所を気に入っている。

スイレン「早すぎたかな。マオが来るのは30分以上後かあ」

リューク「ククッ…そうだな」

スイレン「しょうがない。星でも見ながら待ってようよ」

リューク「クククッ…ああ、そうしようぜ」

リュークと会話しながら洞窟を抜け、最奥の空洞に辿り着いた。
そこでスイレンは、ありえないものを見た。

マオ「…やあ、スイレン」

 

 

190: 2017/01/16(月)18:29:06

デスノートは書いた内容を完璧に再現する。
指定した時刻の30分も前にマオがここにいるなど、ありえるはずがない。

スイレン「な…」

リューク「クククッ…これは面白い」

マオは無表情のまま、スイレンに向かってゆっくりと歩み寄る。
その姿はさながら、操られた人形のようであった。

マオ「デスノート」

スイレン「!」

マオ「持ってるんだよね?スイレンもさ」

スイレン (そんな…)

マオ「スイレンに憑いてる死神…名前も知ってるよ。リュークっていうんだよね」

リューク「ククッ…」

マオ「リーリエたちを殺して、今度は私を殺すの?デスノートの力で?」

スイレン (何がなんだかわからない…)

 

191: 2017/01/16(月)18:29:16

サトシ「スイレンがテンカラットヒルに着いた時…あいつは間違いなく困惑するだろう」

満天の星空の下、ククイの家のベランダでサトシは死神に語り掛ける。

ゼルオギー「そりゃそうだろ。時間より早くマオがいるんだから」

ゼルオギー「しかもデスノートのことを喋り出すんだもんな」

サトシ「ああ…困惑を通り越して恐ろしさすら感じるかもしれない」

 

 

192: 2017/01/16(月)18:29:27

ゼルオギー「スイレンの家の近くにお前が隠れ、スイレンが帰ってきたら俺が家の中に忍び込む」

ゼルオギー「スイレンがデスノートを広げたら、スイレンより先にマオの名前を書く」

サトシ「まだスイレンがマオの名前を書いてないのは、あいつが外出してる時に確認したしな」

ゼルオギー「ったく…俺も人がいいよな。お前から伝えられたとおりに、マオの死の状況まで書いてやったんだからよ」

ゼルオギー「死神がここまでするのは掟破りな気もするが、そんな掟は無いから問題ないだろ」

ゼルオギー「最も、お前の寿命を延ばすことに繋がりそうな状況ならこんなことしねえぞ?」

ゼルオギー「そんなことしたら俺は死ぬんだからな」

サトシ「わかってるよ」

ゼルオギー「そうそう、リュークも俺がいることを黙っててくれて助かったぜ」

サトシ「そいつも人間に興味がある死神なんだったな。お前と同じように」

ゼルオギー「ジェラスとかレムとか、そういう死神は割と多いんだ」

 

193: 2017/01/16(月)18:29:37

サトシ「さて、今のところの問題はハンサムか」

サトシ「オーキドから送られてきた動画もそうだが、デスノートで殺せなかったのは驚いたぜ」

ゼルオギー「俺が他の捜査員と一緒に殺したはずだったんだがな…」

ゼルオギー「1人既に死んでたけど」

サトシ「今更だが…捜査員たちは俺の寿命を延ばすって話と関係無かったんだな」

ゼルオギー「まあな」

ゼルオギー (こいつの寿命はまだまだ先だ。逮捕されるってことは無いだろうしな)

 

194: 2017/01/16(月)18:34:51

サトシ「後でもう一度動画を見てみたら、本名も寿命もバッチリ見えてたんだろ?」

サトシ「あいつの性格上、俺みたいな方法でデスノートを無効化したとは思えない。となれば死の予約をしたとしか考えられないな」

サトシ「全く、くだらない小細工をしやがって。直接殺してやるしかなくなったじゃねえか」

ゼルオギー「だから罠に嵌めたわけか」

サトシ「ハンサムへの通報は嘘ばかりだったが…本当のことも言った。スイレンとマオがテンカラットヒルに行くということだ」

サトシ「ハンサムは多少の不信感こそ抱くだろうが、間違いなくスイレンたちのところに行く。長い付き合いだからな。それくらいわかる」

サトシ「ったく、本当ならマオとスイレンのドタバタを見物したかったんだけどな…」

ゼルオギー「お前もよくやるな。スイレンへの嫌がらせのためにマオを洗脳して、デスノートで操って」

サトシ「洗脳って言い方は酷いなゼルオギー。ノートについて説明しただけだろ」

サトシ「ただ俺は…好きなだけだよ。人の怒りや憎しみ、悲しみや恐怖。そして絶望の表情がな」

 

195: 2017/01/16(月)18:35:08

ゼルオギー「…ところでお前、スクールの奴らと話す時と俺と話す時で口調違くね?」

サトシ「明るくて単純、そして熱血。そういう性格の奴には心を開きやすいのが人間ってものなんだよ」

ゼルオギー「お、おう…」

サトシ「俺の一族はな。代々、肉体と頭脳を進化させてきた」

サトシ「中でも俺は最高傑作だ。親父ですら俺には敵わず、恐れをなして逃げ出した」

サトシ「人間を超えたといっても過言じゃない、この俺がだぞ?」

サトシ「あんな凡人連中を操れないわけがないだろ」

サトシ「スイレンだろうが国際警察だろうが…死神だろうが、全ては俺の掌の上だ」

ゼルオギー「…」

サトシ「あいつらがどんなに抵抗しても無駄だ。死は逃れられない」

サトシ「まずはハンサムからだ。行くぞ、ゼルオギー」

ゼルオギー「…ああ」

 

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