147: 2017/01/16(月)18:19:21

教師、とりわけ校長ともなれば、学校内は自らの庭も同然。
生徒や教員全員の個人情報すら自分の手中にある。
だからこそ、その職に就く者には適正と自負が求められるのだが
この男に校長の地位が相応しいかどうかは甚だ疑問である。

オーキド「もちろん、デスノートの所有権を放棄する、ということも考えたさ」

デリダブリー「すればいいじゃねえか」

この死神、デリダブリーは骸骨のような顔に鎌を持った典型的な死神だ。
グック同様、リュークと交友がある。

 

148: 2017/01/16(月)18:19:33

オーキド「私の手は血に染まりすぎた。今更この罪から逃れようなどとは…あまりにも身勝手だろう」

デリダブリー「くだらねえ言い訳にしか聞こえねえけどな」

オーキド「そうかもしれないな。だが…」

オーキドが発しようとした言葉は、インターホンによって遮られた。

オーキド「…この家に来客とは、珍しいじゃないか」

オーキド「ミニロト。デリダブリー。ついてきてくれ」

立ち上がったオーキドは、胸ポケットにスマホを入れて玄関へと向かった。
ズボンに切り札を入れることも忘れてはいない。

 

149: 2017/01/16(月)18:19:41

ハウオリシティの惨劇の開始と時を同じくして訪れた来客の正体は、オーキドが想像した通りだった。

ハンサム「夜分遅くに申し訳ありませんな。オーキド校長」

ハンサム「デスノートと、あなたの身柄を預からせていただきたい」

オーキド「…これはこれは」

ハンサムの顔を見たオーキドには、一片の動揺も無い。
これも想定内なのだから。

 

 

150: 2017/01/16(月)18:19:50

オーキド「死神の目、ですかな?」

ハンサム「ええ。あの後契約したのですよ。おかげで校長、あなたがデスノートを持っていることがわかりました」

オーキド「さて、これは参りましたな。デスノートは部屋に置いてきましたし、あなたを殺すことはできないようだ」

捜査員2「…オーキド」

捜査員2「エーテル財団の令嬢、リーリエを殺したのはお前か?」

捜査員1「同級生のマーマネ、カキ、そして行方不明のククイ。あなたが殺したのですか?」

オーキド「…私は、その中の誰も殺してはいない」

オーキド「私は、キラだ」

 

151: 2017/01/16(月)18:20:22

オーキド「世界は悪意に満ちている」

オーキド「他人を陥れ、弱者から搾取し、鬱憤を晴らすためだけに他者をいたぶる」

オーキド「学校という場所で、そんな場面を嫌というほど見せつけられてきた」

オーキド「学校とは子どもを守ってくれる聖域などではなく、弱肉強食の法則が支配する生存競争の場だ」

オーキド「それはこの世界も同じ事だ」

オーキド「デスノートを手にしたとき思った!この力で世界を変えてやろうと!」

オーキド「弱い人間が攻撃され、心を壊すことなど無い!そんな世界を作ってやろうと!」

オーキド「弱者を救済することなど、この私にしかできないと思ったのだ!」

 

152: 2017/01/16(月)18:20:34

オーキド「最初はうまくいっているように思えた」

オーキド「犯罪者は命惜しさに大きく減ったし、世界の紛争も大半が停止となった」

オーキド「しかしある時気づいた。キラは戦争こそ止められても、小さないじめまでは止められないのだと」

オーキド「虐げられた人間の心を癒すことも、できはしないのだと」

ハンサム「何を…」

オーキド「だが!私がキラにならなければ、もっと酷いことになっていたはずだ!私利私欲のために使う人間のせいで経済は混乱し…街での大量虐殺なんてことも起きていたかもしれない!」

オーキド「私が使っていなければ、もっと大勢の人間が不幸に…」

ハンサムはオーキドの襟元を掴んで、顔の近くに引き寄せた。

 

153: 2017/01/16(月)18:20:43

ハンサム「言い訳するな。そんな安い正義や平和が通るなら、人は何世紀も前に争いをやめられていたはずだ」

オーキド「…わかっている。わかっていたはずだったんだ…」

ハンサムはオーキドを突き飛ばした。
オーキドは力なくうなだれた。

ハンサム「ナリヤ・オーキド。お前を逮捕する」

オーキド「…フン」

その時、しおれていたオーキドの空気は、再びピンと張り詰めた。

 

 

154: 2017/01/16(月)18:20:55

オーキド「フフ…こんな私であっても、まだ誰かを守ることはできるだろう」

オーキド「ありがとうハンサム。こんな死に方、お前の忠告がなければできなかっただろう」

オーキド「さよならだ」

オーキドは立ち上がり、ズボンのポケットからデスノートの1ページとペンを取り出した。

ハンサム「!まずい…!」

捜査員1「フーディン!すりかえ!」

捜査員1がフーディンを繰り出し、ノートの1ページを奪おうとしたが間に合わない。
オーキドは流れるような動作で自分とミニロトの名前の最後の一角と、ミニロトの死亡時刻を書き込んだ。
既に他の箇所は書いてあったため、書き込むのはそれだけでよかった。

 

155: 2017/01/16(月)18:21:10

ロトム「ロー!」

突然、ロトムがオーキドの胸ポケットのスマホに入った。
それを見たハンサムが瞬時にスマホに手を延ばしたが、スマホは一度放電したかと思うと黒い画面を映すのみで、もう起動しなくなっていた。

ハンサム「…やられたな」

捜査員2「…」

この日、世紀の大量殺人者キラは、世界から姿を消した。

 

156: 2017/01/16(月)18:21:27

ナリヤ・オーキド

ミニロト 自殺
〇年×月〇〇日午後7時13分
主人の胸ポケットに入っているスマホに入り、放電して全てのデータを破壊すると同時に死亡。

オーキドはポケモンの生態について膨大な知識を持っていた。
その知識には当然、ロトムの生態と死亡の原因についても含まれていた。
ロトムは入り込んだスマホのデータが完全に消えてしまうと、自分も死んでしまうのだ。

 

157: 2017/01/16(月)18:22:00

ハンサム「迂闊だった…スマホを胸にさしていた時点で警戒し、奪っておくべきだった」

ハンサム「相手が所有者ということで慎重になりすぎていたか…」

捜査員1「しかし…なぜスマホのデータを破壊したのでしょう?」

ハンサム「何か見られたくないデータがあったか…それとも」

ハンサム「さきほどの会話を撮影していて、既にどこかに送信したか」

ハンサム (後者の可能性が高いが…ならば誰に送信した?)

ハンサム (誰に…)

 

158: 2017/01/16(月)18:22:09
なんだこれ

 

 

159: 2017/01/16(月)18:22:17

フーディン「フー!」

デリダブリー「ん?そう興奮すんなよ。俺は殺せねえぞ」

捜査員1「…ハンサムさん。この死神が落としたノートの回収を」

ハンサム「うむ。オーキドは部屋に置いてあると言っていたな」

 

160: 2017/01/16(月)18:22:28

オーキドの部屋には確かにデスノートが置いてあった。
前の方のページは、犯罪者の名前で埋め尽くされていた。

ハンサム「これは…いったい何百人殺したんだ」

グック「何千人って勢いだなこりゃ…ケケッ」

デリダブリー「あいつ毎日毎日、必死に犯罪者の名前書いてたぜ。起きてる間ずっと書いてた日もあった」

グック「つーかよデリダブリー。これじゃあオーキドとかいう奴が殺害数ナンバーワンだな」

デリダブリー「おっ、マジじゃん。俺すげえな」

ハンサム (この死神の名はデリダブリーか…)

ハンサム (グックの話では、あの学校にはもう1匹、リュークという死神がいたらしい)

ハンサム (リュークが憑いている所有者…次はそいつを探し出すべきか)

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